しゅー日記

映画好きのホテルマンが日々感じた事を書くところ。

HACKSAW RIDGE ~戦争を知らない全ての人へ~

 

こんばんは!

しゅーです。

 

先日観てきました!

 

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映画『ハクソー・リッジ』予告

 

「ハクソーリッジ」!!

 

 

 

 

結論から言うと、

 

 

 

 

最高の映画でした。

今年映画館で観た映画の中で一番良かったと感じました。

 

 

「ハクソーリッジ」

米公開:2016年11月4日

日公開:2017年6月24日

上映時間:139分

 

 

ざっくりストーリー

第二次世界が激しさを増す中、アメリカヴァージニア州に住む1人の青年が陸軍に志願する。名前はデズモンド・ドス。細身だが体力には自信があり、キャンプ地での障害物競走もトップでゴール。

 

しかし彼には兵士としては使い物にならないある特徴があった。彼は宗教上の理由で絶対に銃を持たない。絶対に人を殺めないというのだ。

 

そんな男が史上最も激しい接近戦と言われる沖縄戦、前田高地(ハクソーリッジ)での戦いにおいて敵味方関係なく75人もの命救ったという奇跡のような本当の物語。

 

 

 

 

良心的兵役拒否者として初めて名誉勲章を授与された実在の人物デズモンド・ドスの戦争体験を描いた作品。今作は前半と後半で大きく雰囲気が異なる映画でした。

 

前半。

デズモンドの少年時代から物語は始まります。彼がどんな人物で、どんな人と出会い、どんな風に考え、どんな人生を歩んできたかが丁寧に描かれます。家族との過去、信仰心の芽生え、運命の人ドロシーとの出会い。兵士に志願してからの周りの彼に対する接し方。そして衛生兵として武器を持たずに戦場へ行くことの許可を得るまで。これらの部分だけでも十分映画として楽しめるものでした。

 

そして後半。地獄の戦場

リアルで激しすぎるグロ描写。ひたすらバイオレンスな絵が続きます。血なんて序の口。バタバタ倒れる兵士たち。そこら中に死体が放置されている。火炎放射器で火だるまにされる兵士。上半身と下半身が半分こしたり、しかも半分こした上半身を盾にして突き進んだり。それはもう恐ろしい描写がバンバン出てきます。

 

そして映像も凄いけど「音」も凄かった!BGMはなく、聞こえるのは雄たけび、悲鳴、銃声、爆発音。そのどれもが大音量で鮮明で迫力がハンパなかったです!!

 

前半に丁寧な人間ドラマを見せられるから、前後半のギャップがすごい!そして前半で描かれた共にキャンプで過ごした仲間たちがどんどん悲惨な目にあってしまうのも辛かったです。

 

とにかく、

「絶対に行きたくない場所」

「殺さないと殺されてしまう場所」

というものを細胞レベルで感じさせられました。

 

 

そんな絶望的な場所に一切の武器を持たずに飛び込んでいくデズモンド。そして戦闘中、さらには皆が一時撤退した後も一人その場に残り「助けて」という声を探し続けます。「主よ、あと1人だけ助けさせてください・・・」とつぶやきながら。

 

「持つな」と言われたのではない。「持て」と言われて「持たない」と拒否し続けた男。あの悲惨な場所で、いつ自分の命が敵兵に奪われるか分からない状況で、絶対に武器を持たないという自分の信念を貫けるのだろうか。普通なら絶対に無理だと思います。殺らないと殺られてしまうのだから。しかし彼は信念を貫き通すのです。その姿は完全に異常者でした。「殺すこと」が正常「殺さないこと」が異常。それこそ異常なはずなのに。戦争というものの愚かさを実感した瞬間でした。

 

僕はデズモンドのような信仰心は持ってないし、イマイチ神様とか言われてもピンと来ないし分かりません。日本人ってそういう人の方が多いと思うけど、「人を助ける」ということが「人を殺すこと」より素晴らしくて尊いということは分かります。きっと誰にだって分かるはず。

 

「正義」の反対は「また別の正義」です。アメリカを主役にするなら日本は悪者ですし、その逆も然りです。たしか22世紀からやってきたネコ型ロボットも漫画でこんなこと言ってた気がします。

 

「どっちも正しいと思ってやってる。戦争なんてそんなもんだよ」

 

戦争という何が正義で何が正しいのかも分からなくなってしまう状況の中で、そして「殺すこと」が良しとされる地獄のような場所で、ただ一人「助ける」ことに命を懸け続けた男の活躍に、感動する以外の選択肢はありませんでした。

 

 

 

 

これは完全にDVD購入決定です。